4,909棟を調べてわかった。倒れた家と倒れなかった家を分けたもの
能登半島地震の国の最終報告によると、2000年以降の木造住宅の倒壊は0.7%。それでも倒れた4棟には、はっきりした共通点がありました。

同じ地震で、同じ町で、隣り合う2軒。片方は倒れ、片方は無傷で残る。その差はどこから来るのか。国の研究機関が4,909棟を1棟ずつ調べた結果が、2025年12月に公表されました。
- 木造住宅の倒壊・崩壊率は、1981年以前19.4%、1981〜2000年5.4%、2000年以降0.7%
- 2000年以降に建てられて倒壊した家には、壁の量や配置が基準を満たさない例があった
- 耐震等級2(12棟)・等級3(19棟)を取得した木造住宅に、倒壊はなかった
建てた年代で、どれだけ違ったのか
輪島市・珠洲市・穴水町で調査された木造建築物4,909棟の結果は、次のとおりです。
| 建築年代 | 倒壊・崩壊 | 無被害 |
|---|---|---|
| 1981年以前(旧耐震基準) | 19.4% | 12.5% |
| 1981〜2000年 | 5.4% | 26.5% |
| 2000年以降 | 0.7% | 65.5% |
2000年は、木造住宅の接合部や壁の配置についての規定がはっきり定められた年です。この基準で建てられた家の倒壊は、608棟中4棟でした。
では、その4棟はなぜ倒れたのか
ここが、この報告でいちばん大事なところです。倒壊した4棟のうち、図面を入手できた2棟は、いずれも壁をバランスよく配置する規定を満たしておらず、うち1棟は壁の量も不足していました。もう1棟は築100年ほどの住宅を移築したもので、壁が非常に少なかったとされています。
つまり「新しい基準の時代に建てた家」でも、基準どおりにできていなければ倒れます。基準は、守られてはじめて意味を持ちます。
基準を上回る家は、どうだったか
調査の範囲にあった、耐震等級2を取得した木造住宅12棟、等級3を取得した19棟、長期優良住宅の認定を受けた19棟は、いずれも「1棟が軽微〜中破、それ以外は無被害」で、倒壊はありませんでした。
「耐震等級3なら無傷で済む」とまでは言えません。等級3でも1棟には軽微〜中破の被害がありました。また、2000年以降の家でも無被害は65.5%で、残りは何らかの被害を受けています。棟数も12棟・19棟と少ないので、統計的な保証のようには読めません。それでも、基準を上回る備えに意味があることを示す結果です。
では、どうするか
この調査は能登の3市町のもので、多摩地域の数字ではありません。ただ、国の地震調査委員会は2025年9月に南海トラフ地震の長期評価を改訂しており、大きな地震への備えが要らない地域は国内にありません。
家を建てる側にできるのは、2つです。計算で確かめること。そして、現場で確かめること。ユーキハウスは全棟で許容応力度計算を行い、耐震等級3を目指して設計しています。壁の量と配置、柱や梁の接合部は、完成すると壁の中に隠れます。現場見学会を続けているのは、その部分を建てる前に見ていただきたいからです。
- 国土技術政策総合研究所・建築研究所「令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会 最終とりまとめ」(2025年12月) https://www.nilim.go.jp/lab/hbg/iinkai/notohantouzisinniinnkai/file/251223_torimatome.pdf
- 地震調査研究推進本部 地震調査委員会「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版一部改訂)について」(2025年9月26日) https://www.jishin.go.jp/main/chousa/kaikou_pdf/nankai_3.pdf
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