熱中症がいちばん多く起きる場所は、道路でも公園でもなく「家の中」
2025年の夏、熱中症で救急搬送された人は全国で10万人を超え、発生場所は「住居」が最多でした。多摩の内陸は都心より猛暑日が多い地域です。

熱中症と聞くと、炎天下の屋外を思い浮かべます。けれど統計を見ると、救急車で運ばれた人がいちばん多くいた場所は、自宅でした。
- 令和7年(5〜9月)の熱中症による救急搬送は100,510人。発生場所は住居が38.1%で最多
- 2025年の猛暑日は、都心29日に対して八王子46日、府中45日
- 夏の備えは、断熱とあわせて「日差しを入れない」工夫が要になる
どれくらいの人が、家の中で倒れているのか
総務省消防庁によると、令和7年(2025年)5月から9月に熱中症で救急搬送された人は100,510人。平成20年に調査が始まって以来、もっとも多い人数でした。
発生した場所でいちばん多かったのは住居(38.1%)で、道路(19.7%)のほぼ2倍です。搬送された人の57.1%は高齢の方でした。令和8年も、7月は住居が41.7%、8月は39.1%と、同じ傾向が続いています。
多摩は、都心よりどれだけ暑いのか
気象庁の発表では、2025年の夏(6〜8月)の日本の平均気温は平年より2.36℃高く、1898年の統計開始以来もっとも高くなりました。2026年の夏も+1.02℃で、歴代5番目の高さです。
立川に近い観測点の、6〜9月の猛暑日(最高気温35℃以上)の日数を数えると、次のようになります(気象庁の日ごとのデータから当社で集計)。
| 観測点 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 東京(都心) | 29日 | 12日 |
| 八王子 | 46日 | 16日 |
| 府中 | 45日 | 17日 |
2025年、八王子では猛暑日が都心より17日多くありました。「東京の暑さ」として報じられる数字より、多摩の内陸はもう一段暑いということです。
「毎年、暑さの記録を更新している」わけではありません。2026年の夏は2025年より低く、歴代では5番目でした。また「断熱を良くすれば熱中症を防げる」とも言い切れません。住まいの工夫は、家の中の暑さをやわらげる土台であって、それだけで事故がなくなるものではありません。
では、どうするか
断熱性能を上げると、外の熱が室内に伝わりにくくなり、冷房で下げた温度を保ちやすくなります。ただ、夏はそれだけでは足りません。窓から入る日差しを、室内に入れる前に止めることが同じくらい大切です。
- 南面は、軒や庇の出で夏の高い日差しをさえぎる
- 東西の窓は、大きさと位置を絞る。外側で日差しを止める
- 寝室や2階の部屋まで、冷房が無理なく効く間取りにする
どれも、家が建ってからでは変えにくいものです。間取りを考える段階で、夏の日差しの入り方を確かめておくことをおすすめします。
- 総務省消防庁「令和7年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」(2025年10月29日) https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r7/heatstroke_nenpou_r7.pdf
- 総務省消防庁「令和8年7月の熱中症による救急搬送状況」(2026年8月25日) https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/kyuuki_20260825.pdf
- 総務省消防庁「令和8年8月の熱中症による救急搬送状況」(2026年9月25日) https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/heatstroke_geppou_202608.pdf
- 気象庁「2025年の梅雨入り・明け及び夏(6〜8月)の記録的高温について」(2025年9月1日) https://www.jma.go.jp/jma/press/2509/01a/summer_temp_20250901.html
- 気象庁「日本の季節平均気温」(2026年夏まで掲載) https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/sum_jpn.html
- 気象庁「過去の気象データ検索(東京・八王子・府中の日ごとの値)」(2026年10月6日取得) https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/
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